介護保険の運用面を考える!
今年の4月から運用が始まった“新要介護認定”をめぐっては、要介護度が一律に軽度に判定されるのではないかとの不安の声が市民団体や介護現場から上がっていた。
4月2日には、小池晃参院議員(共産)が参院厚生労働委員会で、要介護認定に関する厚労省の「内部資料」を示し、厚労省が自治体に対し、要支援2と要介護1の割合を7対3にするよう指導していたのではないかと質問。介護保険の給付額を抑えるために、故意に要介護認定の基準を厳しくしたのではないかとただしていた。
こうした批判を受け、厚労省は4月13日、新要介護認定について検証するため設置した「要介護認定の見直しに係る検証・検討会」の初会合を開き、新要介護認定で審査・判定された要介護度が以前の判定より軽くなった場合、申請者が希望すれば、新制度の検証期間中は以前の要介護度とする経過措置を示した。
現在では、この“認定審査会”の対応により、最終的には、極端な軽度化や重度化は見られなかったようだ。
また全体的に、一次判定で軽度に認定されても二次判定で重度に変更される割合が「新制度によって高くなる可能性が予測できる」としており、“認定審査会”の果たす役割が大きくなっていると思われる。
《参考》介護認定の審査結果に対する不服申し立てについて
介護度を軽く判定されて、その認定に納得がいかない場合には、不服を申し立てることができると法律で定められています。介護度を認定した市町村ではなく、各都道府県が設置する介護保険審査会が受け付けます(「審査請求」といいます。介護保険法183条、27条)。
この審査請求は、原則として、介護度の認定(処分)があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、文書又は口頭でしなければなりません(同法192条)。
ただ、3~6カ月ごとに、症状が変わっていないかなどという再調査がありますので、不服申し立てをしなくとも、3~6カ月後には、認定の見直しがあるようです。
〈毎日新聞報道より抜粋〉
要介護認定 新基準で4割超軽く 1次判定
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4月から運用が始まった新しい要介護認定の基準について、淑徳大の結城康博准教授(社会保障論)が全国15自治体の約5050人を調べたところ、4割強の人がコンピューターによる1次判定で現在の要介護度より軽くされていることが分かった。新基準は厚生労働省が専門会議を設け検証しているが、調査は利用者の不信感を裏付ける形となり見直し論議に影響しそうだ。
調査は専門会議メンバーの結城准教授が自治体にデータ提供を要請し、認定更新を申請して5月に新たな認定が出た例を分析した。1次判定では申請者の約43%が現在の要介護度より軽度になり、現在と同じになった人は約37%、重度になった人は約20%だった。
この結果を踏まえ結論を出す2次判定では、1次の結果をより重度に修正するケースが相次ぎ、最終的に現状より軽度と判定された人は約23%にとどまった。2次判定に携わる各自治体の介護認定審査会メンバーからは「要介護3だった人が非該当にまで下がったケースがある」「1次判定で半分以上の人の要介護度が下がり、吟味して救っている」などの報告があった。
要介護認定では市区町村ごとのばらつきが大きいとして厚労省は1次判定基準を改定。だが利用者らの批判を受け、経過措置として現在と異なる判定が出た人は希望すれば今と同じサービスが受けられるようにしている。【有田浩子、佐藤浩】
◇ことば 要介護認定
介護の必要な程度に応じて要支援1~2、要介護1~5の7段階と、非該当(自立)に分かれ、サービスの上限額が決まる。市区町村の調査員が申請者の状態を調査。コンピューターの1次判定に主治医の意見書や調査員の特記事項を加味し、審査会が2次判定する。新基準では調査項目が減り、調査員マニュアルも変更。実際の介助の有無が判定に反映されやすく、施設入所者に比べ、1人暮らしの人らが軽度に判定される傾向が指摘されている。
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